日本の自殺率は高いというのはご存知ですか?日本の自殺死亡率は、G7の中でワーストという結果が長らく続いています。
G7とは日本、アメリカ、フランス、イギリス、ドイツ、イタリア、カナダの先進国のことを指します。
日本はG7の中でもトップクラスの治安の良さ・経済大国として知られており、世界的にもTOPレベルの日本でなぜ多くの自殺者が出てしまうのでしょうか?
今日は、日本に自殺者が多い理由について紹介します。
自殺者の年間の割合と年齢層
厚生労働省によると、平成29年の自殺者の人数は2万1,321人で、男性が1万4,826人と全体の69.5%を占めています。
年齢別の状況、
1位:40代…3668人(17.2%)
2位:50代…3593人(16.9%)
3位:60代…3339人(15.7%)
4位:70代…2926人(13.7%)
と発表されました。
「10代から30代の割合は少ない」と思われるかもしれませんが、少子高齢化の背景からそもそも人口が少ないため、一概には比較できません。
しかし、10~30代の「死因」の観点から見ると1位が自殺であり、この数字はG7の中でも長らくトップの数字になっています。
日本の自殺者が多い理由は?
ハッキリとしたことはわかっていませんが、日本に自殺者が多い理由は2つ考えられます。
1.失敗ができない日本の文化
2.周りの目を気にする国民性
順番に解説します。
失敗ができない日本の文化
日本は「腹切文化」です。これは失敗したら「死んで詫びる」というのが日本古来の文化として根付いています。
現代の日本で腹切りは行われませんが、失敗をしたら許されない文化はそのまま継続されており、一番わかりやすいものに起業の失敗が挙げられます。
起業をして失敗したら、経済的に立ち直れない場合も多く、起業の失敗というのは経歴的に「マイナス」の評価がついてしまいます。
「挑戦をしてよく頑張った!」という評価をもらうのではなく、「失敗した人」として見られてしまうのが日本での評価なのです。
この文化と対照的なのがアメリカです。
アメリカには多国籍の人種がおり多様性が認められています。そのため何度でもやり直せるという文化が根付いています。
アメリカ人は、どんどん起業をして失敗を繰り返しながら何度も挑戦をする傾向があります。「失敗が許される文化」なので、チャレンジ精神が根付いているのでしょう。
日本では、何かの失敗をきっかけに自殺にまで発展してしまうことがあり、文化的背景が自殺者の多い理由の1つだと考えられます。
周りの目を気にする国民性
日本人は「周りの人に迷惑をかけたくない」と思っている人がとても多く、そのように育てられています。
悩みや相談を打ち明けられず、自分の中に抱え込んでしまう。上手く消化できずストレスを溜めてしまう人が多いのです。
ストレスを溜めすぎてしまうと、精神的に辛くなり自殺を考えてしまうのです。
特に、自殺者の年代にも表れていますが、40代という中間管理職世代が多く仕事がきっかけで自殺をしてしまう人が多いことがわかります。
仕事で迷惑をかけた→誰にも言えないし相談できない→ストレスが溜まる→自殺する(腹切り)という最悪の循環が現代の日本では起こっています。
家族や周りの人が普段と違っていたら気に掛けることが大切、無理に聞きだすのではなく、寄り添って一緒に悩みを解決してストレスを解消させていきたいです。
多様性が認められる社会に
いかがでしたか?日本人の根本的な文化を変えることは難しいですし、現実的とは言えません。
近年、多様性が認められつつありますが、浸透していくにはまだまだ時間がかかります。
多様性が認められ、辛い時に素直に言える文化になることが、今後の日本社会には必要かもしれません。